函館の隣町 七飯町の
メンタルクリニックです。
眠れない 物忘れ 不安 気分がすぐれない
ことに関して気軽にご相談いただけます。
ごあいさつ
七飯町は自然豊かな場所ですが、当院も緑を感じさせる優しく落ち着いた色合いを基調とした空間です。
皆様が気負いなく、気軽に受診出来て、こころと体を休め、徐々に回復の途につく
お手伝いをしたいと考えています。
あわせて、地域の皆様のメンタルヘルスの向上にもお役に立てるように
微力ながら努めてまいります。
院長新出 泰士
経歴
- 北海道大学医学部卒業
- 北海道大学病院精神科で初期研修後
八雲総合病院 倶知安厚生病院に勤務 - 国立花巻病院に勤務
- 平成30年4月函館渡辺病院精神科医師として勤務
- 令和3年10月 七飯町に桜町メンタルクリニック開院
資格
- 精神保健指定医 日本精神神経学会専門医・指導医
日本医師会認定産業医 精神保健判定医
労働衛生コンサルタント
診療カレンダー
うつ病について
うつ病とは「気分の落ち込み」、「やる気が出ない」、「何をしても楽しめない」といった気分の症状だけでなく、「眠れない」「体が重だるい」「食欲の低下」といった身体の症状が長期にわたって続くことにより、生活に大きな支障をきたすこころの病気です。
発症には様々な要因が関係していると考えられています。生活上のストレスや環境・遺伝要因、その人がもともと持っている心理的特性、セロトニンなど脳内の神経伝達物質のバランスの崩れも関係していると言われています。
うつ病の患者数はH23年の厚生労働省の調査で95万人以上ともいわれており、一生のうち15人に1人はうつ病になるとも言われています。このため、誰でもがかかることがある、身近な病気と言えると思います。
治療に関しては「日常のストレスから離れた環境で十分に休息をとるといった休養」と、「抗うつ薬による薬物療法」を中心に行います。場合によっては患者さんとの対話にて問題解決方法を探すことを主とする精神療法を行うこともあります。
すべての患者さんに同じ治療が行われるわけではなく、うつ病のタイプに応じて、その人にあった治療法を選択していきます。
不眠症について
不眠症は寝つきがわるい「入眠困難」、途中でおきてしまう「中途覚醒」、朝早く起きてしまう「早朝覚醒」、 寝た気がしない「熟眠障害」があります。 このような睡眠の不調が続くために、日中のだるさや集中力の低下といった支障が出てしまう状態を言います。
治療法は様々ですが、一様に睡眠薬による治療を行うわけではなく、まずは身体的要因や環境的要因といった原因を探りながら生活習慣の改善を検討して睡眠薬による治療を行います。
睡眠薬も現在様々な種類があるので、1人1人の不眠の症状に合わせて副作用に配慮しながらお薬で慎重に調整していきます。
双極性障害(躁うつ病)について
双極性障害とは、「ゆううつ」「無気力」「活動の低下」といったうつ状態と「著しくテンションが高い」「気分の高揚」「活動的すぎる」躁状態という正反対の気分の状態を反復して繰り返す病気です。原因はストレスによるものや患者さんがもともと持っている素因などがあります。
躁状態になると、「全く眠らなくても平気」「活動的になる」「次々にいろんなアイデアが浮かぶ」「大きな買い物やギャンブルなどで散財する」といった傾向がみられます。躁状態の時本人は気分が良いことが多い一方、周囲に迷惑をかけることも多く、躁状態を繰り返すことで家庭崩壊や失業、破産といった社会的損失が大きくなります。そのため、周りの人が早めに気づいて早期治療を開始することが望ましい病気です。
治療は主に「気分安定薬」と「抗精神病薬」による薬物療法が中心です。また疾患教育を通じて、患者さん自身が症状に関して正しく理解し、コントロールすることも大切です。
不安障害について
「慣れないのに人前で話をしたりする」「大事な試験を受ける」など、上手く出来るかどうか不安になったり、緊張して汗をかいたり、心臓がどきどきすることがあるのは誰もが一度は経験していると思います。しかし、不安を強く感じる場面ではないのに、強い不安症状が出現し、自分でコントロール出来なくなり社会生活に支障を生じる状態を「不安障害」といいます。
治療は精神療法と薬物療法に分けられます。精神療法としてはカウンセリングによる治療や極端な考え方のクセを見直すといった認知行動療法があります。薬物療法は抗不安薬やSSRIという不安障害の薬物療法で効果がある抗うつ薬が用いられます。
代表的なものにパニック障害、社交不安障害、強迫性障害、全般性不安障害があります。
統合失調症について
人間の脳の働きは脳神経のネットワークが担っています。「思考」や「感情」はこの神経のネットワークによって生じていますが、このような脳の様々な働きをまとめることが難しくなり、幻覚や妄想などの症状が起こる病気が「統合失調症」です。
統合失調症は様々な症状が生じますが、「幻聴」や「妄想」「精神運動興奮」などの陽性症状だけでなく、「意欲の低下」「感情の起伏の喪失」「社会的ひきこもり」といった陰性症状も認めます。他の慢性の病気と同じように長い経過をたどりやすいですが、近年は新しい薬や治療法の開発が進んでいることにより、多くの患者さんが長期的な回復を期待できるようになってきています。
日本の「統合失調症」の患者数は約80万人と言われており、生涯のうちに統合失調症を発症する人は0.7%つまり100人に約1人が発症すると言われています。
治療は薬物療法、リハビリテーションが中心です。主に抗精神病薬を使用することで陽性症状にかなりの効果が見られております。陰性症状にはリハビリテーションを行いながら、体力や集中力を回復しストレスへの対処法を学ぶことで再発を防ぎ、より充実した生活を送ることを目指します。
認知症について
認知症とは脳の変性疾患や脳血管障害などで、脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなることで記憶や思考などの認知機能の低下が起こり、様々な障害を発症し、生活するうえで支障が出ている状態のことを言います。
認知症の原因となる疾患は、アルツハイマー病が60%と最も多く、次いで脳梗塞や脳出血などの脳血管性障害によって起こる脳血管性認知症が20%見られます。レビー小体といわれる変性した細胞が脳に生じる影響で脳神経細胞が破壊される認知症を「レビー小体型認知症」と言います。特徴として認知機能の低下は少ないものの「幻視」、「パーキンソン症状」、「睡眠障害」がみられます。
認知症になると脳の神経細胞の破壊によって生じる中核症状を認めます。代表的には「記憶障害」で、昔の記憶は残るものの、直前に起きたことも忘れることが見られます。加えて「判断力の低下」や「時間や場所がわからなくなる」といった見当識障害があります。
また、周辺症状(BPSD)を認めることもあります。具体的には「妄想」「抑うつ」「不安」といった精神症状だけでなく、「徘徊」、「攻撃」、「暴力」といった行動の異常を認めます。
治療は様々なものがあるものの、現在では認知症そのものを治す薬や治療法はないため、認知症の進行を遅らせる抗認知症薬を使用し、周辺症状への対応を行います。
適応障害について
適応障害とは比較的日常的な出来事で起きうる病気です。新しい土地への転勤や仕事上の地位の変化や異動といったことにストレスを感じ、ある特定の状況や出来事に耐えがたいストレスを感じて現れます。症状としては感情や行動面の症状が出現します。具体的には気分が落ち込むといった「抑うつ症状」や、「興味や関心の低下」、「不安」といった症状です。
ストレスとなる原因が明確な場合も多く、その原因から離れることが出来れば次第に症状は改善していきます。しかし、ストレスの原因から離れられない、取り除けない場合は症状が持続することもあります。
原因を取り除くことが大切ですが難しい場合も多く、ストレスに対してどのような考え方やパターンを持っているか、現在の問題に焦点をあてて患者さんと一緒に解決法を探す精神療法を行ったり、「不安」や「抑うつ症状」に対して治療を行う薬物療法を行います。
しかし、あくまで薬物療法は対処療法になります。
発達障害について
主に成人によくみられる発達障害としては自閉症スペクトラム(ASD)と注意欠陥性多動性障害(ADHD)があります。
自閉症スペクトラム(ASD)とは対人交流やコミュニケ―ションの質が異常であること、著しく興味が限局したり、パターン化した行動があることの2つが合わさることで出現します。
特徴としては、「相手の気持ちや空気を読むことが苦手」、「コミュニケーションを続けるのが苦手」、「あいまいな表現をするのが苦手」「特定の物事に興味を持ち、こだわる」ことがあります。
注意欠陥性多動性障害とは多動性や不注意を特徴とする疾患です。大人になってから通常の社会生活が困難であるとことに気づいて、受診して診断されることはありますが、多くは子供のころから多動性や不注意の特徴を持っていることが多いです。
特徴としては、「注意を持続するのが難しい」、「集中力の欠如によりケアレスミスや忘れ物が多い」「片付けが苦手」「遅刻が多い」といった症状があります。
治療法としては環境調整や心理療法、認知行動療法を主に行います。ADHDは薬物療法を行う事もありますが、環境調整や心理療法があくまで主となります。